してはいけないことを、なぜしてしまうのか?
やってはいけないと思うほど、やらかしてしまう心理
たとえば、
パートナーに「これはしないでね」と言う。
すると、言ったそばからなぜかする。
「は? 私に喧嘩売ってんの?」と思う。
でも、たぶんパートナーは無意識です。
子どもに「これしないでね」と言う。
あとで隠れてやっていたことが判明する。
あれだけ「うん、わかった」「やらない」って言ったのに。
自分自身も、
「もう二度と二日酔いになる飲み方はしない」と
あれだけ誓ったのに、
忘れた頃にひどい二日酔いで苦しむ。
なんで?
なんで学ばないんだろう?
「これをやってはいけない」
「私はこの人みたいには絶対ならない」
そう思えば思うほど、
まだ未解決の、消化できていない感情が
心の中で強くなっていきます。
だからといって、
感じないようにしたり、ポジティブに変換したり、
なるべくスルーしようとしても、
消えていないものは、なくなったわけではありません。
忘れた頃に、ストレスに感じる出来事が重なったとき、
どかーんと現実に現れてしまう。
嫌いな人に意識が向き続けるのも、おんなじ仕組み。
意識し続けるほど、
そのテーマは心の中で強まり、
現実にも表れやすくなっていくんです。
じゃあ、どうしたらいいのさ
って思いますよね。
最初の話に戻ると…。
「やめてね」と言われると、人は少し傷つきます。
否定されたように感じるからです。
もちろん、言う側にも理由はあるし、
伝えなければいけないこともあります。
でも言われた側は、
「してはダメなんだ」と思って、そこに意識が向く。
その結果、
かえってそこから離れにくくなることがあります。
たとえば、
タバコをやめたいのに、やめられない。
吸うたびに「あー、また吸っちゃった」と思う。
自分を責めている。
つまり、自分を傷つけている。
傷が増えるたびに、
もっとやめられなくなる。
本数が増えることもある。
不倫をやめたいのに、やめられない。
隠れて会うたびに、罪悪感でいっぱいになる。
自分を責めている。
つまり、自分を傷つけている。
傷が増えるたびに、もっとやめられなくなる。
そして最後には、
強制ストップのような出来事が起きて、
強制的にやめることになる。
子どもも同じです。
たたく。かじる。意地悪をする。
やるたびに、「あ、やっちゃった」
とどこかで感じている。
その時点ですでに、
自分を責めて傷つけているんです。
そこへさらに、
「ダメでしょ」「痛いでしょ」と強く注意されると、
その傷に塩を塗るようになってしまうことがある。
すると、もっとやる。
悪者になって、「もっと嫌われてやれ!」
みたいなジャイアン方向に行く。
悪循環ですよね。
本人も、本当はやめたいんです。
でも、やめられない。
やめ方がわからない。
それは、
傷ついているからなんです。
学んでもよくならない。
教わってもいまいち変わらない。
寄り添っても、しつけしても、またやらかす。
そういうことが起こるのは、
表面の行動だけを止めようとしても、
根っこにある傷がそのままだから。
だから必要なのは、
無理にやめさせることではなく、
自覚していない傷を見つけて、癒していくこと。
「わかってくれた」と感じたとき、人は安心します。
安心感が出てくると、素直な気持ちが戻ってくる。
すると初めて、
やってはいけないことなんだと
「本当の意味」でわかるようになる。
相手への思いやりも増えていく。
やめる力、止める力も育っていく。
無理にやめるのではなく、
傷を根本から消化していく。
誰かにわかってもらえたとき。
自分で自分をわかってあげられたとき。
安心感と素直さが増えていって、
「もうやる必要がなくなる」んです。
たとえば、タバコなら、
「今はこれくらいしか楽しみがないんですよね」
「健康に悪いと思いながら、つい吸ってしまうんですよね」
「ストレス解消になっているんですよね」
「でも本当はやめたいんですよね」
そうやって、まず気持ちをわかってあげる。
今すぐやめられないなら、
せめて自分を責めながら吸うのをやめる。
「おいしい」って思いながら吸ってみる。
するとある日、
「あれ、なんだかあまり吸いたくないな」
と思うことがあります。
そこから少しずつ回数が減って、
気づいたらやめられることもある。
不倫も同じです。
「会いたいんですよね」
「好きなんですよね」
「でもずっと罪悪感で苦しかったんですよね」
「家族を裏切りながらも、失うのが怖いんですよね」
今すぐやめられないなら、
まずはその苦しさをちゃんと認めてあげる。
するとだんだん、
「あれ、私この人のどこが好きだったんだっけ」
と冷静になっていくことがあります。
そして少しずつ、
会いたいと思う回数が減っていく。
子どもも同じです。
たたいたり、かじったりしちゃったとき、
本当は仲良くしたいのに、
つい手が出ちゃうのかもしれない。
おうちで怒られて、
いっぱい傷ついていたのかもしれない。
なんで怒られたのかわからなくて、
ずっともやもやしていたのかもしれない。
良かれと思ってやったのに、
「余計なことするな」
と言われて傷ついたのかもしれない。
「邪魔だ」「ダメだ」と言われて、
心の中に傷がたまっていたのかもしれない。
やってはいけないことをしちゃうときはね、
その前に心がいっぱい傷ついていることがあるんだよ。
あなたが悪い子だからじゃないんだよ。
誰かにわかってほしかったんだよね。
本当は泣きたかったんだよね。
でも泣くと「泣くな」って言われて、
傷が治らないまま、
ばんそうこうを貼っちゃったんだね。
大丈夫。
本当は傷ついてたんだって感じられると、
傷は少しずつ治っていくよ。
傷が少なくなると、
怒っても、悔しくても、
手を止められるようになっていくよ。
あなたは本当は優しい子だよ。
少しずつ、練習していこうね…。
人は、
「わかってくれた」と感じたとき、
安心感と素直さが増えていき、
自分の非を認めて、
直す方向へ向かいやすくなります。
子どもから大人まで、土台のやり方は同じです。
やってみてね。
参考になったら嬉しいです。

